室内や車両等においては、主にその物理的な環境を調整することで、快適性(居住性や乗り心地など)の向上が図られます。 環境とは例えば、温熱空気環境、照明、騒音、公共の場における余裕空間等であり、それぞれ温感、視覚、聴覚、開放感等に関連しています。 これらの環境要素である空間、材料、エネルギーなどを合理的に活用するためには、ヒトの環境に対する認知や、行動要因を解明することが求められます。
本研究グループでは、 環境の快適性を、視覚・聴覚・触覚・温感・体感等と人間行動の関係に基づいて説明するモデルを構築することを試みます。 更には、環境を認知して行動する際の脳内認知構造のモデル化や、それを工学的に利用してヒトと環境のより良い関係を形成することを目指します。
従来からの人間工学やHMIの研究は、どちらかと言えば「負の特性を軽減させる」という方向性が主流でした。乗り物酔いの改善、ヒューマンエラーの防止などはその好例です。これに対し本研究では、快適性を軸として「正の特性を向上させる」新しい方向性を目指しています。
研究者
須田義大 | 教授・代表 | モビリティ | 機械・生体系部門/次世代モビリティ研究センター |
中野公彦 | 教授 | 生体、HMI | 機械・生体系部門/次世代モビリティ研究センター |
豊田正史 | 教授 | データ解析 | 情報・エレクトロニクス系部門/ 次世代モビリティ研究センター |
坂本慎一 | 教授 | 音響 | 人間・社会系部門/次世代モビリティ研究センター |
鈴木彰一 | 准教授 | 交通 | 人間・社会系部門/次世代モビリティ研究センター |
小野晋太郎 | 特任准教授 | 情報 | 機械・生体系部門/次世代モビリティ研究センター |
林世彬 | 特任助教 | 鉄道工学 | 機械・生体系部門/次世代モビリティ研究センター |
郭鐘聲 | 特任助教 | 人間工学 | 機械・生体系部門/次世代モビリティ研究センター |
霜野慧亮 | 特任助教 | 機械力学・制御 | 機械・生体系部門/次世代モビリティ研究センター |
河野賢司 | 特任研究員 | 電気・電子 | 機械・生体系部門/次世代モビリティ研究センター |
田淵義彦 | シニア協力員 | 照明 | 機械・生体系部門 |
曄道佳明 | 教授 | 振動・制御 | 上智大学 |
上野佳奈子 | 教授 | 音響 | 明治大学 |
竹原昭一郎 | 教授 | 振動・制御 | 上智大学 |
古賀誉章 | 准教授 | 空間・心理 | 宇都宮大学 |
小崎美希 | 准教授 | 光環境 | 東京大学・新領域創成科学研究科 |
本所の分野横断活動の特徴を生かし、建築工学、機械工学、情報工学、電気工学、環境心理学、生体システムなどの幅広い分野の研究者が参加し、快適性の評価手法や環境の設計手法への展開を模索しています。
活動実績(一部)
- 人間行動生態心理学に基づく自動車車内の快適性評価 (→共同研究・特許出願)
- 鉄道車内の快適性評価 (→実用化)
- 快適性の工学的応用に関するヒアリング(→理化学研究所など)
- 快適性の工学的応用に関する見学(→建築物 交通システム/京都駅、広島ライトレール、トヨタ自動車、JR東日本など)
- 海外調査(ベトナムハノイ)
- 企業との大型共同研究(トヨタ自動車)
- シンポジウム・セミナー等の開催 2001.02.09 山口大学
2008.03.07 愛媛大学
2009.02.09 京都工芸繊維大学
2010.03.18 京都工芸繊維大学
2011.03.29 琉球大学
2012.03.30 愛媛大学
2013.02.14 静岡文化芸術大学
2014.03.10 スカイツリー見学会
2015.03.01 皇居MRツアー
2016.02.05 宇都宮大学
2017.03.23 JR東日本研究開発センター
2018.03.09 JR東日本四季島見学会
2019.03.25 東京大学生産技術研究所
2021.03.22 交通サービス事業者を招いたオンライン研究会